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「Beyond English」

山村留学指導員 JIA Yinghui

 今年の4月から英語村に配属されて、もう半年以上となりました。コロナ禍がまだ収束されない中でも、英語村はまるで桃源郷のようでした。中国はまだ発展途上国であり、豊かな教育のあるべき姿をあまり経験したことのない私にとっては、英語村での生活を想像だにすることができませんでした。

 中国では、外国人の先生と1対1で英語の指導を受ける塾では、1時間あたり3,000〜5,000円程度かかります。北京のあるバイリンガルスクールの費用は、小・中学の段階なら年間400万円前後のようです。 中国の親たちは子どもの英語教育を非常に重視しており、いくらかかってもお金のことを惜しみませんが、英語村のような教育方式が中国の子供たちにとっては手の届かない贅沢であります。
 なぜなら、外国人の先生の人数が足りないだけではなく、中国の、特に都市を中心に、独立性より学歴や成績を重視する傾向が強くて、いわゆる「学歴社会」です。そのため、中国の子どもは大学へ進学するまで親元を離れた一人暮らしをする経験がなく、自立できない、独立できない「赤ん坊のような大人」が多くなる傾向であります。英語村の子どもたちは、ほぼ1年間家から離れて、毎日実践的な英語を学びながら集団生活をおくります。その上、放課後の時間管理とやるべきことも考えなければならない。 彼らは、学業や対人関係だけでなく、自然のことに対しても果敢に挑戦しています。
 英語によるコミュニケーションをとること、体を動かすアウトドア活動に参加すること、自分の時間を管理することなど、大人にとってもかなり困難なことばかりですが、英語村の子どもたちはこの半年間、非常に元気よく頑張ってくれました。このようなたくましく強い精神力があれば、どのような困難な壁があっても乗り越えられる力になるものと私は思います。















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