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登山第二弾と収穫祭準備

山村留学指導員 戸田佐和子

 前々号のこの頁に、コロナ禍での登山の活動について書き、下山後の学園生たちの声を聞いて、もう少し本格的な登山に挑戦する機会を作りたいと結んだ。そして、九月下旬に、前回登った高嶺山(たかねやま)より難易度も標高も高い、信州百名山の『大川入山(おおかわいりやま)』登山を計画した。

 大川入山は、近隣の阿智村と平谷村にまたがる木曽山脈最南端にある標高一、九〇八Mの里山。変化に富んだ治部坂峠(じぶざかとうげ)コースで登った。毎日の登下校で自ずと足腰が鍛えられている学園生たちなら、標高差約八百M・十一?強の厳しい山行であっても、登頂し、無事に下山できると確信していた通り、六時間ほど、皆本当によく歩いた。
 苦しさを乗り越えやり遂げるという様な精神主義を主目的に掲げて活動を展開したが、同じ自然体験をさせても子どもによってその受け取り方は、様々ということを思い知った。自然の中で心が解放され純粋に楽しんだ子、体力がなく歩調が遅い子の荷物を肩代わりする等協力したり励ましたりし、皆で達成感を共有することを大切にした子たち、他の登山者に挨拶や話をしてコミュニケーションをとれて良かったと話した子がいた。
 収穫祭まで二週間となった十月下旬、学園生たちは準備に漸く本腰を入れ出した。発表の場が設けられているので、これまでに積んできた個人体験や集団での表現活動を仕上げたりまとめたりする最終段階に入ってほしいところだが、順調に進んでいるとは言えない状況だ。個人体験の停滞は例年通りだが、全体に関わることも輪をかけて進捗が悪い。果たして間に合うのかどうか気を揉(も)んでいる。前年度踏襲ではなく子どもたちが話し合って、やめたことや新たに決めた取り組みもあり、独立独歩でやっていこうとする気概も感じるので、できるだけ自分たちの力で挑戦させ、見届けたい。ある程度体裁を整える必要はあると思うが、等身大の姿を見てもらおうと思う。収穫祭を通して、子どもたちが個人として集団としてどのように変容するのか、心配でもあり楽しみでもある今日この頃。















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