トップ > 指導者だより > 夜の自然観察

指導者だより

« 登山第二弾と収穫祭準備 | メイン | 思いに支えられて »

夜の自然観察

山村留学指導員 寺崎成希

 子どもたちが寝静まったあとの5?10分の短い時間ですが、夜の自然観察に出かけるのが楽しみになっています。部屋で寝ていると、動物の大きな鳴き声を聞くことがあり、気になって外に見に行ったのがきっかけで自然観察に出かけるようになりました。夏は虫たちの大合唱が聞こえて賑(にぎ)やかな雰囲気でしたが、10月を過ぎると気温も下がり寒くなり始めると虫の鳴き声も聞こえなくなり、山の中は静寂に包まれています。

 暗い山の中へ入り、耳を澄ませると、藪(やぶ)の中からがさがさ音と動物の鳴き声が聞こえてきます。声の方向へ目を凝らして見ていると声の主が姿を現します。シカ・カモシカ・タヌキやキツネです。車の音や虫の音などほかの音が聞こえない空間からは、動物たちの息づかいまで聞こえてくるほど。
 昼間、目にする動物たちの姿とは違い、数段迫力が増して恐怖を覚えてしまうほど、、。夜に見る動物たちの姿こそ、本来の姿なのだろうと感じます。
 夜、山の中へ入り、危険な動物たちに出くわしたら、という恐怖心と夜の自然はどんな表情を持っているのか見てみたい好奇心が刺激されます。そんな時間を過ごす中で地面を歩く動物はよく見るのですが、「ホーホー」とフクロウの声を聴く回数も同じように多いのですが未だ、その姿を見たことがないので、「フクロウを見る!」ことも夜の山へと足を向かせるきっかけにもなっています。
 じきに季節も冬へと変わっていき、また違った自然の表情が見え、まだ見たことのない、夜ならではの動物の生態、植物の特性などの発見も楽しみです。
 夜だからこそ見れる自然の営みを、話で伝えるだけでなく、興味関心を刺激できる体験材を見つけて子どもたちと一緒に観察へ出かける機会を作れるように観察を続けていきたいと思います。















©SODATERUKAI All rights reserved.