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「小学生の宿題時間」

山村留学指導員 谷田怜海

 センターでの平日の夕方、「行ってきました!」と小学生の声が聞こえると私は食堂へ向かう。すると子どもたちは「今日ね、学校でね......」と一日のことをうきうきと報告してくれる。この時間が私にとって、学校生活の様子を理解し得る時間となる。学校が楽しいのか、授業をしっかり受けられているか、友だちと何をして遊ぶのか、毎日学校へ行き確認できるわけではないからこそ、子どもたちからの話が情報源となる。

 しかし話が長くなってしまっては学校からの宿題が終わらなくなってしまう。葛藤の末に、「今何やる時間だっけ?」と声をかけ、机に向かうよう促す。
 小学生にとっては帰園後からお風呂に入るまでの約四十分が宿題をする時間だ。お風呂に入った後は、夕食・掃除・ミーティングなどと、全体で動くことが多くなるからだ。
 彼らは集団の中で暮らしており、そこには全員が気持ちよく生活するためのマナーがたくさん存在する。その一つが宿題を決められている時間にやりきることだ。ここで宿題が終わらないと、夕食後の活動に影響してしまい、例えば全員揃って行う演目の練習時間が少なくなってしまう。学園として使える時間を増やすためにも、宿題をやりきっておくことが必要となってくる。
 秋のこの時期は収穫祭に向けての準備で盛りだくさん。演目練習はもちろん、これからは個人体験や係りの仕事も進めていかなくてはならない。宿題でみんなの動きを止めてしまっては周りに迷惑をかけるという意識で動くことが求められる。
 学校から帰って来て束の間の休憩がてら、子どもたちとの談笑する時間はとても貴重だ。その時間を大事にしつつも、時間内に集中して宿題をやることが、他者への気遣いへも繋がることを子どもたちに伝えていきたい。















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