「小学生の宿題時間」
山村留学指導員 谷田怜海
センターでの平日の夕方、「行ってきました!」と小学生の声が聞こえると私は食堂へ向かう。すると子どもたちは「今日ね、学校でね......」と一日のことをうきうきと報告してくれる。この時間が私にとって、学校生活の様子を理解し得る時間となる。学校が楽しいのか、授業をしっかり受けられているか、友だちと何をして遊ぶのか、毎日学校へ行き確認できるわけではないからこそ、子どもたちからの話が情報源となる。
祖母の死
山村留学指導員 高木陽光
先日、祖母が亡くなった。享年一〇五歳。大往生である。兄弟の中でも遅く生まれた私は一番若い孫。曾孫は私の一つ上の年。少しややこしい関係性だが仕方がない。
『山村留学生たちの姿』
山村留学指導員 福尾静花
9月15日より大岡ひじり学園での勤務が開始しました。14名の学園生たちが持つさまざまな一面に毎日驚いています。起床してから学園を出発するときは眠そうだったA子さんは、夕食後、太鼓の練習になると背すじがピンと伸び、お腹に響くくらい大きな声で節を歌います。個人体験に取り組んでいるB君は普段の笑顔とは打って変わって真剣な顔で蕎麦生地をこね、丁寧に一本一本切っていきます。宿題の取り組みに苦戦するC君は学園畑で冬野菜の間引きをしながら「おれ、やっぱ農業向いてるかも!」と顔を輝かせ、農業への意気込みを語ります。
「石見弁を話す山村留学生」
山村留学指導員 齊藤夏海
「あめ」か「あめちゃん」か。夕食時、話題に上るのが方言の違いです。三瓶こだま学園には関東、中国、九州、海外で育った子どもたちがいますが大多数は関西出身。私は関東出身。四月にセンター生活を始めた頃は関西の方言ばかりで寂しい気持を感じていました。
夏休みには、それぞれ地元に戻り八月末にセンターに帰ってきた時には、しばらく子どもたちは自分の地元の言葉を話していました。しかし九月末になると、もちろん子どもによって差がありますが、すっかり石見弁を使いこなしている子もいます。
「大人になりたい」
山村留学指導員 有坂亮祐
年齢的に大人になった今、その気持ちがさらに強くなっていく。「大人」というのは単に年齢による枠組み以外の意味合いを持つことがある。
個人的な話になるが、私にとっての大人の定義は、感情のコントロールができ、他者の視点で物事を考えられ、思いやることができる。しかし、必要な時には自分の考え方を相手に不快感なく、かつ齟齬もなく伝えることができる......、など人としての理想を全て詰め込んだ人物像が、私がイメージする大人だ。
いつ頃から、そんな大人像が私の中にあったのかはわからないが、大学生になる頃にはすでに存在していたように思う。
自分がうまくできないことがあったとき、「大人になれたらなぁ」という単語がよく頭の中をめぐる。
「活動を考える楽しみ」
山村留学指導員 大嶋しおり
九月の後半、諏訪湖の船舶体験活動を予定していた。英語村の活動では、唯一県外に出かける活動で、小学生・中学生が分かれて、宿泊を伴う活動である。
子どもたちは、継続生からヨットやカヌーの話を聞き、みんなで楽しみにしていた。しかし、緊急事態宣言の延長で、県外、または不要不急な外出の自粛をすることに決定。予定を変更することになった。
「シマヘビ日記」
山村留学指導員 山本将寛
九月半ば、センターの一室から「ヘビがいます!」という声が聞こえてきた。慌てて駆けつけ、捕獲。そして、臨時のシェルターを作り、観察。捕まえたときは「焼いて食べましょうよ」と楽しく指導員間で話していたものの、すっとした顔つきにぽつんとした眼、とぐろを巻き、舌をチョロチョロと出す姿を見ていると「食べたい」から「飼いたい」に、いつしか心変わりしていた。この日からセンターの新しい仲間となった。