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川の季節

山村留学指導員 松浦実穂

 利賀みらい留学のセンターは、庄川の支流である利賀川のすぐ傍にある。利賀川は、岩魚も棲む清流で、釣り人が多く訪れる所だ。
 春、「冷たい雪解け水が落ち着くと、川の色が緑から透明に変わってくるんですよ」と、地元の若者が教えてくれた。センターの食堂からは、川の流れが見える。
 子どもたちも日々川をのぞき込んでは「色が変わった!」「今日は濁ってるよ」と川の変化を身近に感じているようだ。

 初夏、子どもたちと一緒に釣りを教わった。しかけの作り方から丁寧に。主に放流したニジマスを釣ったので、いささかズルをしているような気持ちにもなるが、それでも十分楽しい。
 自分で釣った魚をさばいて食べる活動に、子どもたちも真剣な表情だ。講師に来てくださった利賀の釣り人たちと一緒に、ニジマスや岩魚をいただいた。
 夏の盛り、センターの付近には、清流を好むというオロロ(イヨシロオビアブ)が大量に飛び交う。二酸化炭素に寄ってきたオロロが車にまとわりついて、エンジンを切ってしばらくは車から降りられないほど。「虫だらけ、こわい!」と最初は驚きと恐怖を帯びた声を上げていた子どもたちも、慣れてくると「オロロ嫌だ?」「オロロだ! オロロロロ?」と嫌がりながらも少し楽しむような調子に。
 夏の終わりは、川遊びをめいっぱい楽しんだ。川面に浮いて流れに乗り、少し深いところに飛び込み、流れに逆らって泳ぎ、潜って魚を探し、トンボを観察し、きれいな石を拾って、子どもたちは手持ちの遊び方をぐんと増やしたようだ。川遊びの最終日は少し肌寒く、小雨も降っていたが、「飛び込みたい!」「寒い! でもまだ遊ぶ!」と意欲は衰えず、小一時間はしゃいでいた。
 美しい水流と、周辺の豊かな生態系は、利賀の大きな魅力だ。川べりに過ごし、季節によって変化する川の姿に触れて、その魅力をより強く感じている。寒さを増すこれからの時季も、巡っていく川の季節を存分に味わいたい。















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