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言ってはいるものの......

山村留学指導員 高木陽光

 時間が経つのは早いもので、一学期が終了。帰省数日前からソワソワしていた学園生たち。「いってきまーす!」と、満面の笑みで元気よく実家へと帰っていった。
 夏休みと言えば、何を思い浮かべるだろうか。天体観測、キャンプ、プール。最高に楽しいアクティビティがたくさんある中、最も忘れてはいけないものは宿題だ。「夏『休み』というくらいだから、宿題も休みにしてくれても」そんな風にも思ってしまう。とはいっても、出されてしまったからにはやらない他はない。

 もちろん普段の学園生活の中でも、毎日学校から宿題が出る。「ちゃんと宿題やったか??」「今日はまだ音読を聞いてないぞ?」学園生たちに日々問いかけることも多い。月並みではあるが宿題の大切さ然り、勉強の大切さは大人になってよくわかる。勉強=知識を増やす、と単純にはいかないが、所謂、教養を身につけることは将来の選択肢を増やすためには大切な事である。
 「すべての人間は生まれつき知ることを欲する」。かの有名な古代哲学者アリストテレスの格言である。勉強が好きだといえる子どもはそう多くないだろう。しかし人は趣味や興味を持ったことに対して、もっと知識をつけたい、もっと練習をしたい等、意欲が湧くものである。かくいう自分も勉強が嫌いだった。大人になって「子どもの頃、もっと勉強していればよかった」と、ただただ嘆くよりかは「勉強や知識をつける『方法』を早く身につければよかった」と後悔している。子どものスポンジのように何でも吸収する脳であれば、気合と意欲でなんでもこなせるが、石のようになった大人の脳ではそう上手くはいかなくなる。知識、教養をつけたいと思っても自分に合った方法を見つけていないと大変難しい。子どもにこんな話をしても、恐らく耳を貸さないだろう。
 人間は知識を求める生き物である。それをヒントにして、学園生に勉強や宿題をする意味を伝えていきたい。















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