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意地でも収穫を

山村留学指導員 大山楽人

 平日の朝、「いってきます!」と元気に登校する子ども達を見送ると、軽トラに乗り込み畑へ。上、中、下と三か所あるセンターの畑を周りながら、野菜の観察、手入れを行う。今年度に入り、畑の担当になった私の日課だ。
 七月になり、順調に収穫が始まった夏野菜。「キュウリ大きくなってた」「トマト少し赤いよ」と子ども達も学校から帰ると嬉しそうに報告してくる。順調に野菜が育っていることにひとまず安堵している今日この頃。

 これまで畑では、毎年、サルなどの害獣によって作物が被害にあっていることが印象的だった。なので、今年度は、担当として意地でも何とかしたいと思った。
 なかでもジャガイモは、昨年度すべてサルに抜かれてしまったため、何としてでも収穫したいと思っていた。
 サルとの駆け引きが始まった。子ども達との畑作業で植えたジャガイモをどう守ろうか。植える畑を上の畑、下の畑に分散させ、人通りが少なく盗られやすい上の畑には、ネットで周りを囲ってみた。しかし、それでも一度ほとんど抜かれてしまったため、また植え直し、今度は周りだけでなく上にも覆うようにネットをかぶせた。
 また、センター周辺にサルが現れると、「まずい!」とエアガンやロケット花火を手に畑に向かい、無事を確認する日々。その甲斐あってか、今のところジャガイモの被害は抑えられ、一学期末には、特に被害のなかった下の畑でジャガイモを収穫。夕食の肉じゃがを「これセンターの芋?」「うまい!」と言って食べる子ども達の姿を見て、思わず笑みがこぼれた。
 こうして過ぎた一学期の畑作業。子ども達への教え方を考え、自分も毎日畑に足を運び、試行錯誤を繰り返した。大人になっても自分で経験し、確かな知識が身についていることに喜びを感じた。夏休み中も子ども達の帰りを待ちつつ、畑の野菜たちを守りきりたい。















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