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「秘めた力の顕在」

山村留学指導員 山本将寛

 太陽の日差しも暑さも、ますます厳しくなってきた。夏本番を感じる頃だが、話は暑さと涼しさ入り混じる五月に遡る。
 五月初旬、センターで大運動会が開催された。通称「大運会」(留学生が大運動会を大運会と書き間違えたところから、そのように呼ぶこととなった。オリジナル性があり、留学生も指導員もこの言葉が非常に気に入っている)。

 大運会は、留学生がその一か月ほど前に「センターで運動会やりたい!」と声を挙げたところから始まり、運動会の流れやルール、使用する道具など全てを自分たちで準備。本番の進行・運営も、もちろん自分たちで行った。 当日は「がんばれー!」と声援を送ったり、「優勝・優勝・白団」と各チームで考えた掛け声で応援合戦をしたり、円陣を組んで気合を入れたり......、と留学生も指導員も熱い姿を見せていた。
 
 大運会の準備だが、円滑に進んでいるように見えたものの、他の活動と天候の関係で突如、翌日に行うこととなった。その日を逃すと次にいつできるかわからない状況であったため、留学生は覚悟を決めて、やることを選択。しかし、この段階では準備は未完。その状況の深刻さを留学生自身が悟ったため、ここから怒涛(どとう)の勢いで準備を進めていく。空き時間を見つけて道具を作成したり、「みんなが宿題やっている間に、旗を作っておくね!」とカバーし合いながら、各々が自分のできることをこなしていく。そうして、大運会直前に九割五分準備が完了。「あとは本番やりながらなんとかするよ」と微笑み、開会式を始めた。
 なんと頼もしい姿であっただろうか。大運会を実現させようとする本気さ、実現させる力、臨機応変に対応する姿、普段とは違うその姿に「こんな力を備えているんだな......」と非常に心動かされた。
 「第二回やりたい」「七夕やろうよ」といった留学生が持っている、あるいはこれから生まれる「やりたい!」という想いを実現していく姿を見守っていきたい。















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