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「畑の体験」

山村留学指導員 伊藤僚

 大岡ひじり学園の畑作の体験は、「土づくりから、自分の口に入るまで」を合言葉に、子どもたちは、自分の畑の領地を貰い、それを春から秋まで自分で管理する「一人一畝百姓」の活動を行なっている。

 自分の領地を貰うことは、子どもたちにとって特別な意味がある。鉛筆やナイフといった道具とは違い、自分の計画に沿って農作物を生産できる手段だからだろうか。夢の詰まった自分だけの領地へ強く思い入れを持つ子は多い。
 春先には野菜の育て方の一覧表を見ながら、畑に何を植えるか計画を立てる。各々、収穫を想像しながら「とにかく家に野菜をたくさん送りたい」「水菜を食べたい」「去年、失敗したからもっと管理しやすい野菜を育てる」などなど、それぞれの願いを込めて、割り付けを考えた。
 5月末には、畝を立てて野菜を植える作業を終えた。植えるのにはとても苦労をしたが、たっぷり時間をとって納得の行くまで作業をすることができた。
 野菜作りの本当の大変さは、これからのお世話にある。センター入りをすると、早速、朝や夕方の時間を使って「畑に行ってきまーす」と自分の畑の様子を甲斐甲斐しく見に行って、「ラディシュくん、ちゃんと大きくなれよ」と声をかけ草取りをしている子もいる。中には宿題そっちのけで見にいっている子もいた。
 7月に入り、ズッキーニなど、早くも収穫の始まった野菜もあるが、雑草の伸びも気温が上がり、これから雑草とのたたかいの季節が始まる。
 子どもたちの領主としての実力が試される。25期のみんなは、どんな収穫を迎えるのだろう。















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