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「実際に伝わる郷土料理」

山村留学指導員 持山真

 5月に入り、田んぼ作業が始まりました。近くの田んぼは、どんどん田植えが終わって、緑色になっていきます。
 大岡には「大岡村郷土料理集」という、大岡のお母さんたちが作った冊子があり、大岡に伝わる郷土料理が紹介されています。

 山村留学のごはんレシピ(2019年7月号・通巻第612号)「こねつけおにぎり」と「きな粉おにぎり」レシピに、その郷土料理集から、大岡の田植えの日の豊作祈願も兼ねた「おこびれ(農作業の合間に食べる軽食)」の、きな粉おにぎりを紹介しました。
 郷土料理集には手のひらサイズの俵おにぎりだと記されていますが、実際に食べていたという人たちに聞くと少し変わっているようです。
 いつも夜ごはんを作りにきてくれている地元のKさんは子どもの頃、きな粉おにぎりを食べていたそうですが、手のひらサイズのおにぎりではなかったとのこと。実際にKさんが食べていたきな粉おにぎりはソフトボールサイズだったそうです。Kさん以外の実際食べていたという人達も、みんなソフトボールサイズの大きなおにぎりだったと言っていました。
 お味は郷土料理集に載っているように、少し塩を加えたきな粉そのものの味です。おにぎりのサイズが大きくなっていった理由としては、おこびれは作業の合間に食べるものなので、パパッと食べられる物が都合良いのですが、作業をしていると、とてもお腹がすきます。何度もおかわりをしていられないけれど、たくさん食べたいため、だんだんと大きくなっていったようです。
 そのお話を聞いて、そういえば農家のお母さんが食べ盛りの子どもたちに作ってくれるお弁当には「足らないと、もうらしいから(かわいそうだから)」といって、特大サイズのおにぎりを付けてくれているなぁと思い出しました。















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