恵まれた環境
三瓶こだま学園
山村留学指導員 稲井祐介
四月、小学五年生から中学三年生までの十五名の子どもたちが、三瓶こだま学園十八期生として山村留学生活をスタートさせました。
まだまだコロナの影響もあり、子どもたちには入園前に抗原定量検査を受けてもらい、陰性確認ができた後、センターに来園してもらうなどの対応を取らざるを得ませんでしたが、「入園のつどい」は三瓶青少年交流の家の講堂で行うことで十分なソーシャルディスタンスを確保し、都市部からやって来た学園生の保護者にも参加していただくことができました。
今後もしばらくはコロナ対策と縁が切れそうにありませんが、子どもたちはコロナのことよりも、新しいメンバーとの共同生活への期待と不安が入り混じった複雑な心境でこの一か月を過ごしていたのではないかと思います。
山村留学の生活を場面分けしてみると、?個人生活(自立した生活、学習習慣等)、?集団生活(学園の自治、人間関係づくり、農家生活等)、?個人活動(自分の興味関心に基づく個人体験等)、?集団活動(週末の自然体験活動、太鼓や踊り等)の四つにカテゴライズすることができます。
どれも大切なことですが、時に子どもたちは、?の集団生活において様々な悩みを抱え、葛藤し、意識の大部分を占めることがあります。もちろん、その分だけ成長する機会も得られるわけですが、そのことだけに囚われてしまうのはもったいない気がします。
大田・三瓶は体験フィールドに恵まれた環境です。酪農業や窯業、漁業などの地元の産業の体験、釣りや海水浴などの海の体験、世界遺産の石見銀山や、日本遺産の石見神楽などの歴史文化体験、その他にも豊かな自然の中でできる体験は限りなくあります。
山村留学をしているということは、それだけ恵まれた環境にいるということ。今だからこそできることや、やりたいことをとことん追求し、三月には「やり切った!」と胸を張って修園してほしいと思います。