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「継続の意思」

山村留学指導員 伊藤僚

 新年度を迎え、一か月。新入園生たちも生活リズムを覚えて、慣れからくる緩みが見られるほどになってきた。
 最初の山場を越えた学園生たちだが、継続園生の「継続の意思」の強さが試される時でもある。

 ある中学三年生は、学園生のミーティングで、自分が理解していることの説明をすっ飛ばして話を進める傾向がある。つまり、話は簡潔・かつダイナミックで、明白なのだが、周りは理解ができず、ついていきたくともついていくことができない。それを自覚し、一つ一つ言葉を紡ごうとする。
 またある子は、小学六年生になり、去年自分ができなくて注意されてきたことを、張り切ってみんなに伝え、「私もそうだったけど、それは通用しないんだよ!」と、明るく自分の経験をもとに語る。
 自分の弱い部分と向き合い、周りの人間とも向き合おうとする姿に、大きな成長を感じる。
 とはいえ、生活にせよ、体験活動にせよ、上手くいかない事のほうが多い。
 例えば、学園では基本的生活ができていないと、太鼓はやらなくていい、という方針なので、ゆっくりしているとすぐに時間が無くなってしまうし、急ぐあまり手を抜けば、結局自分たちの力にならなくて、収穫祭前など、太鼓・劇・個人体験とやることが増えたときに、生活を回すことができなくなってしまう。
 特にリーダーとしての立場の子は、葛藤と闘いながらの日々になっていくだろう。思っていることが伝わらなかったり、自分たち自身ができていない事もあったり、と失敗も多い。それでも前向きに声を掛けたり、フォローをする姿勢を持ち続けている子がいることが本当に素晴らしいと思う。
 「今度はこういう一年にしたい」ともう一年、新たな立場で時を重ねる決意をした継続生たちの力強い意志が実り、今年も多くの体験を重ねる一年になってほしいと願う。















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