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「決めるのは誰?」

山村留学指導員 邑上 貴厚

 帰省していた子どもたちも無事に帰園し、2週間の自宅待機(センター待機)期間を経て、ようやく普通の(学校に通ったり、外で活動したりする事)生活に戻れた子どもたち。この時期になってくると、周りを見る余裕が出てくるのか、夜の勉強の時間や、風呂に入っているときなど、学園での生活について話をすることが増えてきたように感じる。

 いつも話に上がるのは、学園生活におけるルールの話。「朝の生活チェックが面倒だ。」とか「掃除後の解散の仕方はこれでいいのか?」といった感じだ。
 私はそうした事を聞くたびに、「じゃあ、変えてしまえばよいではないか」と提案する。
 子どもたちによって「そんなことしていいの?」と驚く子や、「でも変えるのって難しいじゃん」とあきらめの念を口に出すもの等、反応は様々だ。
 こうした変革を実行するには、全員を巻き込んだ多大な労力を要するため、私も全てが行動に反映されるとは思っていない。ただ、子どもたちには常日頃から考えていて欲しいことがある。
 「本当にこれでいいのだろうか?」「今の自分たちには何が必要なのだろうか?」と常識や当たり前のことを疑うということだ。
 私たちが生きる社会には、必ずと言っていいほど常識や当たり前のことがある。それは学校や学園という小さな社会でも同じことだ。
 厄介なことに長い時間を掛けて作られていったそれらは、たとえ今の時代や現状とマッチしていなくても、「これが常識だから。」という一言で全てが解決してしまうような説得力が備わってくるのだ。
 人数構成や学年構成、男女比によって、求められるルールや生活の規範は変わっていくことが必要だ。それは私たち生きる社会もまた、同じことだ。
 だからこそ子どもたち自身が自分たちの目線で生活を作っていく「自治」の土壌を育てていきたい。
 未来は、自らの手で創造できることを体験してほしいと思う。















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