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じゃんけんを科学する?
山村留学売木学園
山村留学指導員 高木 陽光
毎日楽しみにしている食事。デザートとして、リンゴやグレープフルーツが出た際、余りがでることがある。一人一個、というルールを叩き割って、そのおかわり分を手に入れる方法がある。
じゃんけん、である。
「リンゴのおかわり欲しい人!」と学園生の一人が声をかけると、三人から四人、多い時は八人以上で、じゃんけんをする事がある。もちろん大人も混ざって。
リンゴの数は多くて二個。誰か一人を王様にした王様じゃんけんになる事もある。いずれにせよ、争いは避けては通れないのだ。真剣勝負である。どうやったら、じゃんけんが強くなるのかを本気で聞いてきた学園生もいた。
じゃんけんの勝ち負けを考えるのに確率を外すわけにはいかない。
二人の場合、勝つ確率は三分の一。人数やおかわりの数に応じて、確率も変動する。大事なことは運の要素が大きい割合を占めるが、運がすべてではないという事だ。
ある研究では『同じ相手と複数回じゃんけん』をした時に、とある法則が見つかったという結果が出ている。それは、負けた人が次に出す手は、負けた手以外を選ぶ事が多い。またその逆に、勝っている人の次に出す手は、勝った時と同じ手を選ぶ事が多いというもので、子どもたちに話をしても「必勝法」ではないため、伝わりづらい。さらに何より、センターでのおかわりじゃんけんは一発勝負。
じゃんけんには数多くの願掛けがあるが、学園生も「最初はグーと言ったら負ける」や「じゃんけんぽい、と相手に言わせたら勝てる」など様々な持論を有している。
不思議な形に腕を組み、合わせた手の平の間から相手の手を見抜く方法や、はたまた相手に念じ続けて特定の手を出させるといった方法もある。念じる、それこそが本当に勝敗を分ける一番の要因になっているのかもしれない。
そして今日も学園生は、おかわりを求めてじゃんけんを行うのであった......。