トップ > 指導者だより > 「辛いことを乗り越えた先に」

指導者だより

« 歩くことに貪欲に | メイン | 二〇二〇年 »

「辛いことを乗り越えた先に」

山村留学指導員 今野公彦

 二学期は子ども達と来年度の話をする大切な時期である。
 今頑張っていること、達成したい目標、将来の夢など、自分と向き合いこれからのことを真剣に考える子ども達と過ごす毎日、こちらもどう声かけをするか考えさせられる。外国で働きたい、獣医さんになりたい、英語村でリーダーになりたい、英検二級に合格したい、英語村のスタッフになりたいなど、やりたいことについて話す子ども達の目は輝いている。

 それとは逆にやりたいことがまだ見えず、どうしたら良いかな、と聞いてくる子どもも少なくない。
 人生経験が少ない子ども達、やりたいことが決まっていない方が普通だと思う。そんな子ども達には、先ずは目の前にあることに真剣に取り組み、やり通してみたらと伝えている。
 真剣に打ち込むと楽しさや嬉しさだけではなく、難しさ、辛さ、そして止めたいと思う壁にぶつかる時が来る。そして止めたいと思ったときが、自分がそれを本当に好きになれるかどうかの分かれ目。たいていの人はそこで諦めてしまい本当の面白さを知るところまでたどり着かない。止めたいという壁を何度も乗り越えると、他の人には分からない面白さや奥深さが見えてくると思う。
 僕は山と岩に向き合って十数年。寒い、怖い、痛い、しんどい、毎回止めたいと思う時がある。そんな心身の変化を受け止めながら登り続けてきた。今では言葉にはできない山と岩の良さが身体に染み込んでいる。その感覚は年々深まり、それが嬉しく感じる。
 山村留学も一緒。楽しいだけでなく、辛い、止めたいと思った時が沢山あったと思うけど、それを乗り越えたからこそ自分が好きと言えるよね。その感覚を忘れないで欲しい。これからも止めたいと思ったその先に本当の楽しさや面白さが待っているよ。
 
 様々なことを一年間で経験できる山村留学。子ども達が自分たちの成長に気付けるように、日々声掛けをしていきたい















©SODATERUKAI All rights reserved.