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「新入園指導員」

山村留学指導員 上野芽生

 今年三月に大学を卒業し、春から指導員として八坂美麻学園にやって来た。
 新入園生と同じで、初めてのことばかり。わからないことだらけで右往左往する日々が続いた。学園生に「これはどうすればいいの?」と聞かれても「ごめん、分からないから他の指導員に聞いて」と答えられないことばかりで情けない思いをすることも多くあった。

 今年度初めての火起こしでは、私も新入園生二人とチームを組んで挑戦。しかし、火起こしは全くの初心者で、子どもと一緒に右往左往。結局、枝に燃え移らず失敗に終わってしまった。チームの学園生二人に対して申し訳なく、不甲斐なさを感じた。
 そんな時、ある学園生が「芽生さんも、新入園だからね。新入園指導員だから仕方ないよ」と言ってくれた。新入園指導員。なんでもできなければならない、絶対に子どもを成功に導かなければならないといった、自分で自分を追い込むように感じていたプレッシャーのようなものを軽くしてくれた言葉だった。
 「初めてで、できないことがあっても仕方がない、できない事はできるようになればいい、今はできなくてもいつかできるようになろう。皆と一緒に成長していけばいいんだ」と前向きになることができた。その後、火起こしだけではなく様々なできない事に直面することはあった。こんなに知らない事ばかりなのかと落ちこんでしまうこともあった。だが、「新入園指導員、まだまだ伸びしろだらけだぞ」と自分に言い聞かせてきた。
 指導員になって十月で半年。いつまでも新入園指導員という言葉に甘えてはいけない。これからは「できない」を「できる」に変えていく時期だと思う。「新入園指導員、まだまだこれからだぞ」と自分に言い聞かせ、学園生と一緒に成長していきたい。















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