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休み明け
大川村ふるさと留学
山村留学指導員 有坂亮祐
夏の終わりはいつも突然やってくる。夜、布団の上で横になっているとき、秋の虫が鳴いていることに気づく。いつから秋の虫が鳴き始めたのか、よく覚えていない。いつも、気づいたときには秋の足音が迫っている。非常に短い期間ではあるが、秋の音に耳を澄ませながら眠りにつくのが、この時期の大きな楽しみだ。
休み明けの留学生は「センターに帰ってきてしまった...」ということを多くの子が言う。留学指導員としてその言葉を聞くと悔しいような、悲しいような気分になる。留学生がセンター生活に対して嫌になる気持ちがわからないわけではない。
家にいるときよりも、しなければならないことがあまりにも多いし、不自由なことも、ものすごく多い。私は山村留学を経験したことがないのでどこまで彼らの気持ちを理解できるかはわからない。センターが嫌だという心理は、おそらくは子どもたちが「学校行きたくないなぁ」というのと同じ感じだろう。その感覚は痛いほどよくわかる。それでも、「センターやだなぁ」という彼らの発言を聞くと、もやもやした気持ちになる。
留学生活をどう楽しいものにしていくか。そこは指導員の腕の見せ所なのかもしれない。川遊びのように、ただただ単純に楽しいもの、畑作業や登山のようにつらさや大変さの向こう側に喜びを感じるものなど、さまざまなことがあるが、そこに対して楽しさや喜びを感じられるような指導をしていかなければならないと強く感じる。
もちろん、そもそも不自由な生活の中に身を置くわけなので、楽しさ100パーセントにできるなどとは思えない。ただ、そういう生活の中で、自分なりの目標ができたら、センターに対する印象も少しは変わるのではないだろうか。
悔しく感じたり、何かに失敗したりしてしまったときというのは、次により良い結果を出すための可能性が大きい。子どもたちがより良い経験ができたり、次への好奇心が刺激されたりするようなことを日々考えていきたい。