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失敗を糧に

山村留学指導員 大山楽人

 夏休み明け、お互いの距離を意識し「なるべく一人でできる事」「密を避ける事」を、気を付けながら活動をしている。
 そんな中、学園生全員でソロデイキャンプをした。ソロキャンプは、二人以上でやるキャンプと訳が違う。みんなでやるキャンプでは、継続生や班の仲間と相談し役割を分担しながらできるが、ソロでは全ての工程を自分で考え、動かなければならない。難易度は劇的に上がる。「考える力」「対応力」発想の「柔軟性」が必要となる。

 今年は、学校に行かない期間もあり、例年に比べキャンプの活動をすることが多い。特に小学生は、七月にも一泊のキャンプをし、一人でご飯を炊くことにも挑戦した。前回は、雨に見舞われ多くの子が火を起こせず悔しい思いをしてしまったため多くの子がリベンジに燃えていた。
 今回のミッションは、昼食作り。お湯を沸かし、うどんをゆでること。連日晴れが続き、コンディションは申し分ない。始まる前は、不安な表情を浮かべ、弱気な発言をしている子もいたが、始まってしまえば腹をくくりそれぞれが自分の世界に入っていた。
 前回、とにかく火をつけるまでの準備が大切と痛感し、足りなくならないよう大量の薪を確保し、かまど作りにも工夫が見られた。そして、マッチも大事に扱った。もちろん開始十分で「マッチを使いきりました。」と来る子もいなかった。お湯をひっくり返し、トラブルに見舞われた子もいたが、それでもめげずにやり直し、目標を達成している子もいた。
 そして、一番感じたことは、「火がつかないどうしよう。」という声はなく「一人でできたよ!」という達成感の声が多く聞こえたことだ。また、失敗するかもしれない不安に打ち勝ち、前回の自分を超え、全員が自分の力でやり切ったキャンプ。そこには、失敗の経験を活かし、自分で何とかしようとする子ども達の力強い姿があった。















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