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『腕の見せどころ』

山村留学指導員 青木高志

 長雨が続き、梅雨がなかなか明けず、田畑の作物の出来も、心配されるようになってきました。そんな中でも、子どもたちは元気に生活をしています。
 3月2日より始まった学校の休業も、今年度も引き続き6月1日までが休業となりました。入園してから約2か月もの間、センターでは最大限のウイルス感染予防対策をとりながらも、学校と連携して学習指導支援を行い、制約の多い生活空間の中で、学園カリキュラムに則った生活体験・自然体験活動を展開してきました。

 今回の2か月の学校休業期間で改めて一番に感じたことは、山留生にとり学校に通学するということが、どれだけ心身の安定に重要な影響を及ぼすかということです。
 子どもたちにとって毎日の6キロメートルを超える徒歩通学、先生や地元の児童生徒とかかわる多様な人間関係、子どもたちの知識欲を満たす各教科の学習指導や学校図書など。これまで当たり前として存在した学校に対する捉えを再認識する機会となりました。
 そして山村留学指導者としても、子どもたちの有り余るエネルギーや欲求を、この休業期間中どのように満たしてあげられるか、学園指導チーム・指導者個々の課題として、毎日投げかけられてきました。子どもたちそれぞれが、『これをしてみたい!』と内発する興味欲求と、それに基づき主体的に第一歩を踏み出す多様な環境を整備すること。
 せっかく豊かな大岡の自然と、異年齢の多様な人間が存在するこの空間で、単なる集団レクリエーションやスポーツ、ゲームで時間を過ごすのは簡単ではありますが、とても勿体ないことです。
 指導者が熟考し、準備して整えた多様な環境で子どもたちが第一歩を示し、一つの体験を通して想像力と独創性が育まれ、その力が次の体験へと子どもたちを誘う。体験の連続性へつなげていくこと。子どもたちが大岡で、嬉々として体験を深めていく姿を想像しながら、この2か月は指導者としての、腕の見せどころでありました。















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