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「考えてみて」

山村留学指導員 寺崎成希

 今年の梅雨は長雨で気が滅入ってしまいそうになりつつも、学園では子どもたちからの元気な声が毎日聞こえ、微笑ましく思う今日この頃。

 元気に生活を送る子どもたちだが、今年度は子どもたちの口からよく耳にする言葉がある。それは、「どうしたらいいですか」という言葉だ。様々な場面でその言葉を聞く。もちろん私自身にも聞かれることがある。特に驚いたのは、「ごみ」の事。ある子が、ごみを片手に歩み寄ってきて顔を見るなり、「これどうしたらいいですか」と聞いてきたのだ。衝撃......。それに対し、「ごみ箱に捨てて」と答えれば終わるのだが敢えて「どうしたらいいと思う?」と質問で返してみた。10秒ほど沈黙するとハッとした表情で「ごみ箱!」と答えが返ってきてひと安心。
 これ以外にも様々な場面で「どうしたらいい」と聞かれることが多い。その都度、質問で返す。考え込む子がほとんどで、それを少し楽しみつつその考える時間が大事だし楽しい事なのだと思いながら見守る。
 答えを教えてあげるのは簡単だが、それに慣れてしまうと「大人に聞けば」と自分で考えなくなると思うし、答えをすぐ教えてあげると逆に、考える機会を自分が奪ってしまうと感じることもある。なるべく小さなことでも時間がかかっても考えさせ、助言をし、次に繋げられるようにしてあげることが必要だと思う。
 今の時代、ネットで簡単に調べられて便利。その反面、考えなくてもどうにかなってしまう時代でもあるのだろう。
 しかし、山村留学にそんなものはない。自分で悩みながら考えて答えを導き出すほかない。それでも一人では限界もあるのだが山村留学は周りに仲間がいる。一人で困ったときは仲間に聞いてみることで答えがわかるかもしれない。
 是非、考えることの大切さと楽しさを知ってほしいと思う。















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