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指導者だより

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山村留学指導員 有坂亮祐

 朝起きて、ラジオ体操をしてから配膳や部屋の掃除をし、ご飯を食べる。センター生と行うルーティーン。
 朝起きて、部屋の掃除をして、コーヒーを片手にノートを広げる。私の休日のルーティーン。
 最近になってその作業を毎日行うことが苦行になってきた。センターにいるときは頭が仕事モードに入っているので朝のつどいは何の苦もないが、休みの日は違う。仕事関係のノートを開くのが億劫になるのだ。

 留学生活の大半は、掃除、洗濯、配膳......と、毎日同じ流れを繰り返す。今までそれを保護者の人に任せていた子どもにとって、相当な苦労になるのではないか。私の毎朝自分の机に向かってノートを広げる動きすら億劫になるのだから、その苦労は計り知れない。
 私が育てる会に入職したとき、山村留学は大きく分けて三つに分かれると聞いた。
 一年間を地元の家庭で過ごす「ホームステイタイプ」。一年間を留学センターで過ごす「全寮制」、地元の家庭とセンターの両方の生活がある「併用タイプ」だ。
 育てる会の山村留学は併用タイプをとっている。地元の家では、その家の子どものように過ごすことで、センター生活中に感じる、集団ならではの人間関係や葛藤から少し離れ、羽を伸ばすことができる。子どもたちが落ち着ける居場所があることで、一年間の過ごし方にメリハリがつく。
 しかし、大川村の留学センターは「全寮制」なので、留学生活中に人間関係が悪化したり、毎日行う掃除や洗濯が苦になっても、地元の家庭でしばらく過ごして人間関係がリセットされたり、羽を伸ばせる期間がやってくることでセンター生活を送るためのモチベーションを維持することはできない。
 留学センターでの生活は一般家庭とは大きく異なっている。そこで一年間を過ごしていくためには、子どもたちが息抜きをできる場にしていくことも大切なように感じる。















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