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指導者だより 月別アーカイブ(2020年7月)

猿と畑と


山村留学指導員 松浦実穂

「猿ってのは、嫌だね」。夏野菜が実り始めるこの時期、八坂・美麻ではこんな声が切実さを帯びる。猿の被害は何年もの間この辺りの課題だ。大町市は今年度、七百万円もの予算を有害鳥獣対策の強化に充てているし、八坂の中学校では、昨年猿を追い払う体験学習をしていた。田畑には柵が年々増えている。私たちだって、猿が出れば騒いでみたり、花火やエアガンを打ってみたり。何にせよ追いついていないのが現状だ。

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コロナ禍に思う


山村留学指導員 戸田佐和子

 新型コロナウイルスの影響で異例づくしの入園から三か月が経った。登校自粛や臨時休業期間を経て、通常登校が再開され一か月余り。授業時間数を補うため、六月中旬からは日課変更が行われたり、中学生の部活動も始まり、俄かに忙しい日々となった。それでも、学園生たちは柔軟に適応し、例年通り、中だるみする時期に入った。生活の綻(ほころ)びを指摘されたり、乱れた生活を立て直すよう指導されたり、山積する人間関係の課題に直面したりしているのも、例年同様。山留生活は、コロナ禍にあまり左右されていないし、売木村では以前とそれほど暮らしぶりは変わっていないと感じる。恵まれた環境であることや農山村の強みが浮き彫りになった。

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待つ、そして見届けること


山村留学指導員 伊藤僚

 今年度は、八坂美麻学園と大岡ひじり学園の兼務になりました。よろしくお願いします。
 
 子どもたちの様子を見て、集団生活を送る中で、人間関係トラブルは付きものです。よくある例で「○○が言うこと聞いてくれない」といって悩む子がいたとします。その子が言っていること自体は正しいのですが、それを相手の子が聞いてくれるかは別問題で、大抵は聞いてくれない。そして、指摘している子自身もできていないこともしばしば......(もちろん、私も小さい頃そうでした)。

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『日記』


山村留学指導員 水落碧衣

 大人も子どもも、誰もが一回は書いたことがある「日記」。三瓶こだま学園の子どもたちも学校の宿題で日記を書くことがあるが、「今日はこれを書こう!」とスラスラ鉛筆を走らせる子もいれば「何を書けばいいかわからない......」と頭を抱えている子もいる。そんな姿を見るといつも懐かしい気持ちになると同時に、モヤモヤしたものも心の片隅に湧いてくる。

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山村留学指導員 有坂亮祐

 朝起きて、ラジオ体操をしてから配膳や部屋の掃除をし、ご飯を食べる。センター生と行うルーティーン。
 朝起きて、部屋の掃除をして、コーヒーを片手にノートを広げる。私の休日のルーティーン。
 最近になってその作業を毎日行うことが苦行になってきた。センターにいるときは頭が仕事モードに入っているので朝のつどいは何の苦もないが、休みの日は違う。仕事関係のノートを開くのが億劫になるのだ。

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「留学生に弟子入り志願」


山村留学指導員 今野公彦

 待ちに待った六月、いよいよ長い自粛生活が緩和され、まだ油断はできないが、心は自然と外の世界に向かう。さあ、どこで何をしよう。
 私は子どもたちの体験談に耳を傾けることが大好きだ。子どもたちの体験談には、効果音、感情、感覚などがたっぷり入っていて想像力を掻き立てられる。そして、今すぐにでもその世界に飛び込みたくなる。

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