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「自己に打ち克つと言うこと」
三瓶こだま学園
山村留学指導員 邑上貴厚
育てる会の体験群の項目の中に「自己に打ち克つ体験」というものがある。厳しい状況や環境に身を置き、それに耐え乗り越えることで達成感を感じたり、自信を持ったりするという体験のことだ。
今年1月から続けている筋力トレーニングを通して、「自己に打ち克つ体験」について、わかったことがある。
それは自分ができる最大限のことを自身に課すのは悪循環に繋がる、ということだ。そうすることで、毎回乗り越えるべきハードルはどんどん上がってしまう。それを毎日続けようとすると、当然「嫌だなぁ」という気持ちが比例的に大きくなっていく。そして、予定していた課題から逃げてしまった時、自分の中に「逃げる」という選択肢が生まれてしまう。その選択をしてしまった時、自分で自分自身を責める。そしてまたそんな自分に懲罰的にキツイ課題を課す。
この循環は自身の向上には全く繋がらない、ということだ。大事なことは、自分に(個々に)合わせていかにハードルを下げられるかであると思う。
要するに、大きな目標を常に目指すのではなく、大きな目標に向かうため小さな目標を日々設定し、それを超えていくことだ。毎日小さな自己に打ち克つことで大きな自信を身につけることができると私は思う。
これは山村留学の生活にも同じことが言えるのではないかと思う。
「面倒くさいな。」「嫌だな。」と思うことに対して、「え、これだけでいいの?」と思えてしまうような事から一歩ずつ歩みを進めていく。
こんなことはもしかしたら皆知っている当たり前のことかもしれない。私もなんとなく理解したつもりでいた。けれど続かなかった。それは「小さな自己」を認識できていなかったからだ。「小さな自己」は自分と向き合わなければ見えてこない。自分が思っているよりも自分は小さい。この気づきを子どもたちに還元できるようにしていきたいと思う。皆が毎日「小さな自己に打ち克つ体験」を重ねられるように。