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夢・目標

山村留学指導員 高木陽光

 ふと過去の自分の夢を振り返ってみた。小学校に上がる前、図鑑で見た宇宙に惹かれ宇宙飛行士になることだった。小学生になってからは、様々な職に目移りした。スタントマン、レーシングドライバー、ハッカー(おそらく悪者)、自衛隊員。

 「ありがち」が嫌いで「異端」や「奇抜」なことに固執していた自分の夢は思い返すと心臓がキューッと縮まる。しかし、中学から高校に上がる頃になると周りは夢に、より具体的なビジョンを持つようになる。自分はそれを持つことが出来なかった。目標を立て、それを達成できなかった時にひやかされ、バカにされるのを恐れていたからだ。今考えれば、幸いにも中学高校と周りにそんな野暮(やぼ)なことを言う人はいなかったのだが、小さい頃のトラウマから、ちっぽけなプライドを傷つけられたくないがために、言われもしない野次(やじ)に怯えていた。結果として夢を持つことが出来なくなってしまった。「将来に何になりたいの?」と大人に聞かれると、その場その時で興味のある事に関連した職業を上げていた。
 一つに定まった目標が無いため継続することもせず、興味がある事に取っついて飽きてはまた次へ。小器用な自分は本質を見出す前に次のことに移ってしまっていた。
 子どもたちには「夢なんか持たず好きなことをとにかくやるんだ」と、大きな声では言えない。しかし、それが無駄になったという話ではない。少しだけ勿体無いというだけの話で、何よりそう気付けただけでも儲けものだ。
 それでも毎日夢に向かって何か一つやっていることがあるかと聞かれれば、特には無い。それは、今まで目標や夢へのアプローチをしっかリと考えた事が無かったからだ。自分はもう大人だ。何度もやり直せる年齢ではない。もっと早めに気付けていれば、と思ったところで意味はない。
 ちっぽけなプライドはもう要らない。少しずつでも夢を叶えるために日々精進していきたい。















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