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指導者だより

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「遊び」

山村留学指導員 吉澤かおり

 「失礼します。○○を貸してください」と指導者室を訪ねてくる子どもたち。○○とは、ほとんどが遊び道具である。グローブ、ボール、ラケット、フリスビー、釣り道具、トランプ、百人一首、折り紙。そのほか、糊、ハサミ、マジック、軍手、小刀など。
 これまでは、平日学校に行って、休日は活動が多く、自由な時間はわずかだったので、こんなにも指導者室に来ることが無かった子どもたち。

 学校が休校中、折り紙をしている子、釣りをしている子、キャッチボールをしている子、それはそれで子どもたちのやりたいことを存分にできていいと思う。しかし、あまりにも毎日道具を借りに来るので、それが無かったら子どもたちはどうする? 何して遊ぶ? と疑問に思った。そして、何日か「何も道具を貸さない日」を作ってみた。
 三十二名の仲間がいて、広い場所があって、自然も沢山あるから楽しいことは沢山あると思うが、どうだろう?
 最初は不満そうだった。しかし、しばらく様子を見ていると、外へ出て何か植物を探したりする子がいたり、そのうち、「おにご(おにごっこ)する人集まれ」と声がかかったり、「カーッテ、ウレシイ、ハナイチモンメ」と声が聞こえてきたりした。「やっぱり子どもは何もなくても遊べる」と思った瞬間だった。
 遊びの中で子どもたちが学ぶことは多い。特にここは異年齢の集団が集まっているからこそ、普段より考えて遊べると思う。
 時間が沢山あるからこそ、みんなで沢山遊んで、その中から色んなことを学んでほしい。いっぱい、いっぱい外に出て、多くの人と交流をもって遊んで、そして立派な「ガッタ坊主」になって欲しいな。

*「ガッタ」とは......
 信州の方言でやんちゃとか、いたずらという意味。















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