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ものは考えよう

山村留学指導員 稲井 祐介

 新型コロナウイルスが猛威を振るい、年度にまたがって異例な対応をせざるを得ない状況が続いていますが、そんな中でも、新しい山村留学生活に希望を抱いた子どもたちが集い、三瓶こだま学園17期生の生活がスタートしました。

 小4から中3までの13名の内、新入園生が5名。前年度に違う学園での山村留学を経験している子もいますが、まだお互いの様子や自分の立ち位置を探りながら、今は大きなトラブルもなく生活を送っています。
 ただ、コロナの関係で、外部の方と接触することや、地域外に出かけるような活動は中止または延期としたり、保護者の来園を控えてもらったり、学校が休校になったりと、例年にない生活を送っていることも事実です。
 子どもたちは大なり小なりストレスを抱えているでしょうけれど、それでも午前中に設定している学習の時間以外は、みんなで太鼓や踊りの練習に励んだり、山菜採りやランニングをしたり、時には13人全員で鬼ごっこなどの外遊びに興じることもあり、学園としての雰囲気は決して悪いものではありません。むしろ、共有する時間が多いことで、例年以上に子ども同士の関係が早く構築されているような気もします。
 また、農家生活が先延ばしになったことで、1か月(春休みに帰省できなかった継続生は約2か月)のセンター生活を余儀なくされた子どもたちや職員のために、保護者からは様々なお気遣いや励ましのお言葉をいただきました。
 都市部の方では感染者も多く、国難とも言えるこうした状況にもかかわらず、自分のことだけでなく相手のことを思い遣る瞬間に出会う度に、「みんなで支えあいながらこの状況を乗り切ろう!」という強い気持ちが生まれてきます。
 コロナ収束にはまだ時間がかかるかもしれませんが、みんなが苦しいからこそみんなで助け合い、連帯感を作り出す。今のような非日常から得られるものもたくさんあると信じて、これからも前向きに過ごしていきたいと思います。















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