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来年度へ向けて
三瓶こだま学園
山村留学指導員 岡坂遼
冬期休暇中、実家へ帰省していた一年間の長期留学生が年を跨(また)いでまたセンターに帰ってきました。子どもたちには帰省前「休み中に来年の進路について親と話し合い結論を出してくること」と伝え送り出していましたので、それぞれ各々の決意を持っての帰園となりました。継続する子、家に帰る子、進学する子、と進路は様々で、それによって来年度に向け、行うべき振舞い方も様々ですが、決意をしたからと言ってその日を境に劇的に行動が変わる事はなかなかなく、新年スタートと同時に忘れ物をする子もいれば相変わらず生活の決められた時間に遅れる子もいたりと「おいおい......」と言いたくなる場面も少なくありません。
ただ、そういった折に触れて継続を決めた子に「来年は継続するのだからこのままではいけないよ」と声をかけたとき、返事をするときの子どもたちの目は心なしか以前より真剣味を帯びているように感じますし、「まずい」と感じている心の動きも感じるので、それを手掛かりに子どもたちの心の奥の決意を感じ取れてちょっと安心をしているところです。
また、この時期になると中三は受験勉強の追い込み時期に入り、週末は高校進学に向けた準備で一時帰省をし、不在になることも少なくありません。今まで学園を引っ張ってくれた中三がいなくなると、中二、中一の子たちが先頭に立って生活を仕切るなどしてごく自然に学園を引っ張る姿が見られ「いつの間にかこんな力がついていたのか」と度々感心しています。
子どもたちの中には、この一年、もしくはそれ以上の体験の中で、成長の種は沢山できているのだと思います。それが芽吹く土壌は「学園を引っ張る」という立場や「年下の子に見本を見せる」という場面など様々なのだと思います。
人が成長するためには個人の内面だけでなく、周りに適切な環境がなければいけないと常々感じている事ですが、新年度に向け、そんな事も念頭におき、それぞれの進路に合せた成長の土壌を整えてあげたいと考えています。