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野生になれ
くらぶち英語村
山村留学指導員 今野公彦
「収穫祭」が終わり、あっという間に12月。紅葉した木々や黄金色に輝く稲の収穫も終わり倉渕に寒い冬がきた。群馬といえば空からっ風。日本海の空気が群馬を囲む山々で冷やされ、乾燥した風「空っ風」が勢いよく吹き降りる。
子どもたちにとっては厳しい自然環境だ。しかし、風が吹いても関係なし。英語村の子ども達は走るのが大好きだ。朝5時、気温は1℃、ヘッドライトを腰に巻き、英語村から子どもたちが出てきた。今日は昨日から三人増えて九人でスタート。日に日にメンバーが増えていく。さあ、今日も野生に帰ろう。五感をフルに使い、自然の中で身体を動かすんだ。
暗闇の中、月明かりと満点の星空が足元を微かすかに照らす。西に沈みかけたオリオン座を見て「Sun-rise is coming soon. 朝がもうすぐ迎えに来るよ」と一人の子どもが言った。夜中に冷やされ霜が降りた道や田畑は、宝石が輝いているかのような美しさだ。凸凹したオフロードを走る子どもたちの足取りは軽く、まるで踊っているかのよう。リズムに乗って吐く息は真っ白で、温まってきた身体と空気の冷たさの温度差を感じる。
走る時はみんな静かで、風や川の音、そして動物の音を聞き逃さないように注意をしている。どんなことを感じているだろう、私は想像しながら先頭を走る。走り終わる頃、東の空がオレンジ色に色付き始めた。夜と朝の狭間は自然の変化が大きく格別美しい。
「We saw shooting stars, so it is gong to be a good day!! 今日は流れ星が見えたから最高の一日になるよ」と笑顔で会話する子どもたち。身体を動かした後の朝ごはんはとても美味しい。
さあ、今日も元気に学校へ行こう。毎日頭に汗をかき一生懸命に英語を話す子どもたち。そんな生活だからこそ、頭スイッチをオフにして五感をフルに使い身体で自然を感じる時間を大切にして欲しいと思う。
明日はどこを走ろうか、時間を見つけては英語村周辺の実地踏査に励む日々が続く。