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行事がいっぱい

山村留学指導員 有坂 亮祐

 大川村では木の葉が下から上に向けて登っていく。早明浦(さめうら)ダム湖面から吹く風が、崖にぶつかり木の葉を巻き込みながら山を登るからだ。今年は紅葉がきれいではないと大川村の人は言う。二年いる程度では私には、その村の四季の移り変わりはわからない。

 大川の留学では、育てる会の山村留学における「収穫祭」というものは行っていない。しかし、その収穫祭がなくとも、学校行事や村の文化祭の準備があり、留学生は忙しい日々を送った。
 学校行事である「キラキラフェスティバル」は総合の授業で学習したことの発表がメインだ。
 村のことについて深く知るために村民に話を聞いたり、村をより活気づけるためにできることを自分たちで模索したりする。ある意味、育てる会の山村留学「収穫祭」の個人体験発表に近い。
 発表を聞いていると、班ごとのリーダーの雰囲気が大きく反映されているのか、アクションが大きく、派手な発表もあれば、淡々と自分たちがやっていたことを発表する班もあった。
 学校の方針がある以上、ある程度、発表の方法が似ると思っていたが、それは覆(くつがえ)された。「キラキラフェスティバル」の翌日は、留学生が村の文化祭で太鼓の発表をした。
 舞台で発表するものは「芸能部門」に分類される。文化祭ではほかにも絵や俳句、写真などの作品を展示している「文化部門」、農産物を展示する「産業部門」がある。
 一年間、村内で生活していたとはいえ、大川村の多くを知っているわけではない留学生にとって、村のことを知るよい機会だった。特に干し柿の完成形を見たことでそれを作ったことがない子たちにとって、今センターで干している柿がどうなるのか、五感で理解していたことが印象に残っている。
 これらの行事に参加することで、新しい発見があったりする。それは子どもだけでなく、指導員も同じだと思う。百聞は一見にしかず、というがまさにその通りだと、実感させられた十一月だった。















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