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『自由活動』

山村留学指導員 水落 碧衣

 四月から十一月までの約半年間の山村留学生活で得たことを「心の収穫」として発表した収穫祭。
 大きな会場で、たくさんの観客に見守られながらの発表は、子どもたちに大きな達成感と自信をもたらせた。しかし、私はひとつの不安を抱いていた。毎年収穫祭が終わるとなんとなく中だるみしてしまい、生活に張りがなくなってしまっているなぁ、と感じていたからだ。残りの留学生活を "消化する"ような過ごし方から何が得られるというのだろうか。

 今年度で神河やまびこ学園は閉園を迎える。子どもたち全員が、継続したい気持ちがあっても継続できない状況にある。悔いが残らないように過ごしてほしい。そこで、主任指導員と相談し、収穫祭で発表したスピーチをもとに、「自由活動の時間」を設けた。
 指導員ではなく自分自身で自分の興味関心があることを決め、自分で計画を立てて取り組む時間だ。指導員が決めた活動をみんなで取り組んできた前半の活動から発展した活動形態となる。
 継続生も新入園生も最初は戸惑っていた。多少の制限はあるが、"何をしてもいい"のだから。「何をすればいいのかわからないよ......」と戸惑う子どもに「自分自身に聞いてごらん。自分が何をやってみたいのかが大切だよ」と声をかけた。
 しばらくは石像のように固まっていた子どもたちも、しばらくすると精力的に動き出した。「木で人形を作りたいので道具を貸してください」「〇〇兄、竹の割り方を教えてくれる?」継続生からアドバイスを聞く新入園生。大がかりな作業を手伝いあう新入園生。これからどのような体験を積み上げていくのか楽しみだ。
 「これからも、三月の修園までたくさんのことを体験しながら、頑張っていきます」。十一月に行われた収穫祭で、司会係の子どもが発表した言葉だ。留学生活はまだまだ終わらない。修園の時に胸を張って「自分ががんばったこと」を言えるように、私も全力でサポートしていきたい。















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