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「半年を振り返る」
神河やまびこ学園
山村留学指導員 邑上貴厚
朝晩の気温が10度を下回るようになった今日この頃。木々の葉の紅葉も、色づきが一層鮮やかになり、秋の深まりを感じさせる風景が眼前に広がる。
神河やまびこ学園では、学園最大の行事、「収穫祭」に向けて子どもたちが着々と準備を進めている。
ここで、今年度の学園の子どもたちの事を振り返ってみる。今年度は、11人という人数に対して、最低学年の4年生が約半数である5人を占めていることや、新入園の子どもたちが7人ということもあってか、一学期・二学期の間は全員で活動するということが多かったように感じる。例えば、誰かが「これから竹で工作したい!」と指導員のところに来ると、「あ、私も!」「僕も混ぜて!」と続々と人が集まってくるといった具合だ。このように一人の興味関心が、全体に伝播する事が多かった。そうした全員での遊び、全員で何かに取り組むといった中で、今年度の子どもたちは多くの事を感じ取っていたようだ。
「(遊びの中で)自分の意見を押し付けてしまった。もっと他の人の意見を認められるようになろうと思う。」「みんなで筏にのって遊ぶのがとっても楽しかった。」など、子どもたちの振り返りを見返してみると、そうした言葉があちこちに散見されている。
最近、全員での色々な活動を通して、「私はもっとキャンプをたくさんしたい!」「僕は竹で弓矢を作ってみたい。」と言った事が子どもたちの口から少しずつ出てくるようになった。全員での遊びや活動から、個人での活動に子どもたちの目線が切り替わってきている。
昨年までは、子どもたちに対して大人が多分にアプローチをし、なんとか個人での活動に向かわせていたという事があった。しかし今年度は、そう言ったことは敢えてせずに待ってみた結果なのではないかと思う。
収穫祭を一つの通過点とし、3月の修園に嬉々として向かっていく子どもたちの姿を、応援していきたいと思う。