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気がかりなこと

山村留学指導員 戸田佐和子

 ひと月に一度、受け入れ農家さんたちに学園にお越しいただき、会合をもっている。

 学園生の様子や次回農家生活中の予定の確認だけでなく、前回の農家生活での子どもたちの様子や情報を差し障りのない範囲で共有し、意見交換をする。
 多様な子育て観をうかがい知ることができ、とても学ぶところの多い時間だ。温かい気持ちを持った大人の目がたくさんある中で育つ環境の素晴らしさを感じる。
 今年度、その会合でよく話題に上るのが、「食事にかかる時間について」だ。食事時間が長い子が数人いるので、学園生活の懸案事項の一つでもある。遅い要因は一概には言えないが、学園で規則正しい集団生活を送る上では、食事時間がおすと皆を待たせ迷惑をかけてしまう。
 少し前、全国的に学校給食の喫食時間の短さが議論となっていたが、学園では二十五分から三十分。短すぎることはないと思う。
 勿論、楽しい食卓にしたいのだが、会話が弾みすぎるといつまでも食事が終わらないので、食事に集中させ時間を意識させるなどの声がけをしたり、時間内に食べられる量に自分で調節させたり、登校日の朝食は皆より先に食べ始めさせたり。
 当人たちの努力もあり、当初と比べると時間がかかりすぎることは減ってはきた。子どもたちも時間を意識して食べられるようになりつつあるが、早く食べること自体が目的になっている気がする。
 学園生活の自由な時間を子どもたち一人ひとりが豊かに過ごすためのことだが、食事時間にあまり時間をかけないように声掛けすることで、子どもたちは時間に追われている感覚が強くなっているのではと、気がかりな日々。
 会合で、各農家さんの対応の工夫や長い目で見守る姿勢にふれて、しみじみと、かくありたいと思う。















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