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子どもの会話とは

山村留学指導員 高木陽光

 学園生は自分の話をよくしてくれる。学校で何があったとか、農家さんにお世話になっているときにあんなことがあったとか。内容にもよるが、さぞ楽しかったんだろうなぁと感心して聞いていると、感じることがある。

 大人、子ども関係なく話をするのだが、自分の話しかしないのである。食事や活動時に、みんなの話題の中心になっているワードを連想ゲームのように自分の話したい話題にコロコロ切り替える。
 「私の地元の学校給食で、揚げパンが出るんだけど......」「揚げパン好き! 私、地元のパン屋さんでね......」「私はパン屋さんって行ったことない......」出てきた興味のあるワードを拾って話に割って入っていき自分の話をする。
 学園内で聞いている分には別段気にならなかったが先日、登山に行ったとき山小屋の食堂で他のお客さんがいる中、大声の会話。私は、堪らえられなくなってしまった。当人たちは会話ができているつもりなのだろうが、いささか幼稚である。
 しかし、そう思ってもなんと言ってあげたらいいのか、なんてアドバイスしてあげたらいいのかわからない。他人と会話をするときには、こうしなさいなどというハウツー自体、人からしっかり教えられた記憶もない。
 幼児、低学年ならまだしも、相手は高学年?中学生だ。すぐ近い未来に高校や大学などが待っているはずである。もちろん、新しいコミュニティに参加すると必然的に会話でコミュニケーションをとるはず。
 月並みだが、会話は言葉のキャッチボールとはよく言う。しかし、今の彼らは、缶蹴りだ。話題に向かってそれぞれが思いっきり蹴りを入れて缶を飛ばす。それで満足なのだ。まだ小中学生だから、と言われれば、それまでなのかもしれない。
 幼いうちから、会話はやり方次第でもっと楽しくなるというのを伝えたいというのは、私のエゴだろうか......。















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