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運動会を終えて

山村留学指導員 有坂亮祐

 九月二十一日に学校の運動会が行われた。一週間前から雨の予報で、延期になるのか、その日のうちにやるのか、落ち着かないまま過ごしたが、結局雨は降らず、予定通りに運動会が行われた。

 子どもたちが競技をしている姿を見ると、この日に向けて練習を重ねたことがよくわかる。
 子どもたちは運動会で、様々な競技を見せてくれた。それは紛れもなく、この日に向けて練習を重ねてきたものだった。留学生に限らず、子どもたちは学校で勉強することを「めんどくさー......」とよく言う。確かに、人から言われてやるのはあまり良い気分ではない。けれど、人から言われてやったことでも、毎日のようにやっていれば、後から振り返ったときにはそれなりのものが積み重なっている。
 運動会に向けて、子どもたち一人ひとりが高いモチベーションを保って練習したようには思えない。それでも、運動会を通して、子どもが経験し、それぞれに得たものが、これから生きていくうえでその子の核になりうるものだと思う。
 運動会の二日後にはバドミントン部の新人大会があった。行事が目白押しである。運動会でも、新人バドミントン大会でも、留学生の保護者と話す機会があり、何組かの保護者と、留学生や留学のことについて会話をした。
 留学について、保護者の人と話すときは緊張する。留学生が山村留学に来たことで、得られたものが少ないのではないかと考えてしまうからだ。しかし、今回話した保護者の方はそう感じてはいなかった。
 山村留学を通して、世の中を生き抜く力を育てる、ということが山村留学の大きな目的。留学の行事、活動、生活に対して、そこにフォーカスしながら過ごせるようになれば、より良い留学になるかもしれない。
 フィールドの内側では、成果を出すことに必死だったかもしれない。しかし、そこに至る過程で得たものが大切だと感じさせられた。















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