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継続は力なり

山村留学指導員 有坂亮祐

 鈴木一朗ことイチローが引退して約半年。一時間半にも及ぶ引退会見をこの半年で何回か見た。
 イチローの若いころから、引退までの言葉を聞いていると、イチローは小さいころから何十年にも渡って一貫した考え方を持っているように感じる。

 引退会見で「自分の中のはかりを使いながらちょっとずつ越えていく。そうするといつの日か、自分でも驚くような力を出せるようになる」と、話をしている。野球の記録を塗り替えるたび、記者会見で似たようなことを常に言っており、イチローが毎日の積み重ねを大切にしてきたことがわかる。
 「継続は力なり」という言葉を私は何度も目にしてきたが、イチローほどそれを体現してきた人を私は見たことがない。
 これを書いている今、二学期が始まったばかりだ。二学期と言えば、収穫祭。育てる会の職員がいる留学センターでは、四月から過ごしてきて、経験したこと、打ち込んだことを発表し、自分たちを取り巻く環境(自然や村の人)に感謝を表す、「収穫祭」をしている。
 私は今まで、陰ながら支えてくれた人に感謝を示す、ということを頭では理解していたが、どれだけ支えられているのかを深く理解していなかった。
 大川村に留学指導員として派遣され、私は、村に対してどう貢献できるかを中心に考えるようになった。日々、それを念頭に置くことで、村の人々に、山村留学がどれだけ良くしてもらっているのかが、徐々にわかってきた。わかってくるにつれ、村に貢献する、という考え方がより強くなった。
 育てる会の理念の根底に「感謝の気持ちを育むこと」がある。私は、この事を深く理解するのにずいぶんと時間がかかった。今、毎日の小さい進歩の上に、それを得ていることに気づいた。
 この村で、私は、留学生、村の人々とともに、山村留学を誇りに思う仕事にあたっていきたい。















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