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ゴールデンエイジ

山村留学指導員 有坂亮祐

 例年よりもかなり遅い梅雨入りだった。梅雨が明けるころに一学期の修了式がやってきた。今現在、一年間のうち、三分の一が終わったことになる。

 一学期を振り返ってみて、自分では、後悔の一つも出てこないほど、全力で毎日を過ごした。留学生や他の指導員、村の人々から見て、私自身が"頑張っている"ように見えていたかどうかはわからないが、一日一日を全力で過ごしてきたと、自信を持って言える。

 留学指導員の仕事は、人と接し続ける仕事だ。子どもの成長や、留学を取り巻く村の人々に多大な影響を与える。それは良い方向にも悪い方向にも作用する。もちろん、悪い影響を与えたいとは微塵も思っていないが。

 人に影響を与える、とは曖昧なもので、何が正解なのかわからない。そこが、この仕事の面白いところでもあり、難しいところのように感じる。

 さて、四月からの数か月を振り返る。最初に出てくることは、"自分なりに、一日一日を全力で過ごした"ということだ。だが、深く掘り下げていくと、それは単に自己満足であり、客観的に見たときに、子どもたちや留学を取り巻く人々に良い影響を与えられたかというと、まだその域には達していないように思う。

 ここ数か月を全力で過ごしてきたことにも自信がある。子どもや村の人々に大きな影響を与えるまでには至っていないことも気づいている。まだ結果は出ていないが、この一学期を過ごした感覚は悪くはない、むしろ良いぐらいだ。

 大川の留学生の年齢は十?十五歳。身体能力が飛躍的に向上する、ゴールデンエイジ、という期間にあたる。私は山村留学の仕事を始めて四年目になる。多少なりとも、この仕事を理解し始め、視野が拓けてくる時期だと感じている。社会人として、仕事のゴールデンエイジとはこの時期のように思う。

 今、思うような結果が出ずとも、この時期に積み上げおくことが、将来の財産になるのではないだろうか。















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