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「個性の強さとエネルギー」

山村留学指導員 伊藤僚

 夏の自然体験キャンプが始まった。いつもは学園生という決まったメンバーで過ごしているが、長期休みになると、さらに多様な子どもたちとの出会いがある。

 そんな出会いの中で、気付かされるのは、子どもたちの活力だ。

 たとえば、長い距離をリヤカーを押して歩くのはキツイ。そんな時には、「1、2、1、2......」と声を掛ける。そうやって自分を鼓舞(こぶ)する小学生の子。

 キャンプの夜、暗やみの中で、寂しさに耐え切れず、一時間弱全力で泣き続けて眠り、朝には、けろっとする子などなど。

 様々な個性があり、興味関心もその子によって全然違う。虫一つとっても、コオロギを見たら飛びついて捕まえたり、水路で大きなカエルを捕まえて見せに来るような子もいれば、目の前に蛾が一匹現れるだけで、大騒ぎな子もいる。

 他にも食事、風呂、掃除その他の生活の様々なシーンの中で色々な個性があるなぁと思わされる。

 育てる会では、目指す子ども像として、「目標を持って、毎日を嬉々(きき)として過ごす子ども」を掲げている。

 嬉々として過ごすとは、物事に向かうエネルギーがある状態に他ならないと私は思う。

 だから、目標を持つこと、もっと言えば、その子が「熱中できる目標」を持つことが、身体の底からエネルギーを引き出すキーワードなのだろう。

 強い個性の裏には、エネルギーがある。様々な子と出会う中で、その溢れるエネルギーの向かう先、つまりは目標を作ってあげれば、子どもたちの満足げな笑顔をもっと引き出せるのかなと感じる夏だ。

 夏真っ盛り、エネルギーいっぱいの子どもたちに囲まれている。















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