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「外へ......」

山村留学指導員 邑上貴厚

 今年度、神河やまびこ学園では、学校から帰ってきてからの時間を有効活用しようということで今までの生活の流れを大きく入れ替えることにした。

 従来は、帰園後は入浴と宿題の時間となっていた。それを1日の終わりの時間に持っていき、帰園後から夕食までのおよそ1時間半を自由時間としたのである。
 神河やまびこ学園に赴任して以来、子ども達を取り巻く生活時間が窮屈であるなと感じていたからだ。
 今回、生活時間を変更するにあたって、悩んだこともあった。それは、集団生活にとって大切な「やるべきことを先にやる」という習慣が子ども達の中に醸成されていかないのではないかという点である。今までの生活の中では、宿題や、就寝の準備、自分の荷物の整理などの「やるべきこと」を最優先に動くことを是としてきた。そのため、子ども達は自由な時間を人から与えられるのではなく、自分で作り出すことを体感することになる。
 けれど、こうすることで日が暮れていないにも関わらず、宿題に追われ、結果として最後に余った夜の僅かな時間しか、使うことができなくなっていたのである。
 そこで、私は山村留学を望んだ子ども達の目的はなんだったのかをもう一度考えることにした。入園面接時の作文などにもう一度目を通していくと、答えは明白だった。彼らは、「自然の中で、たくさん遊ぶ」ことを求めていた。であるならば、やはり日が出ている時間は外に出してやりたい。という結論に達した。
 現在、生活時間を変更して1週間半が過ぎた。子ども達は夕食ギリギリまで外で遊べるようになり、とても満足しているようだ。しかし、いざ夜の時間を迎えると、宿題が消灯までに終わらなかったり、入浴後に眠くなってしまったりと課題は残る。きっとこれらの問題は、時間が解決してくれることと思いながら、私も学園生と一緒に外へ飛び出していくのである。















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