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くらぶち英語村

山村留学指導員 主代望都

 英語村での二年目が始まって早二ヶ月が過ぎた。子ども達は共同生活にも随分と慣れ、一つひとつの活動を全力で楽しむ余裕が生まれてきたように感じられる。

 去年は目まぐるしく変わっていく毎日に圧倒されていた私も、心なしかゆとりを持って日々を送れるようになった。以前はさほど気に留めなかった小さな変化にも、楽しみながら目を向けることができるようになったのだ。

 季節の移り変わりに合わせて咲く花の色や、鳥達のさえずり、子ども達の僅かな成長も、全てが去年よりも新鮮に思えてならない。

 倉渕では三月からウグイスたちのさえずりが聞こえるようになった。去年までは特に気にならなかったが、春の早い時期ではまださえずりが下手な若いウグイスたちが大勢いる。調子外れなものや、おかしなところで力を入れてしまうもの、音を一つ余分に足してしまうものなど様々で、単なるBGM的存在だったウグイスたちのさえずりに、面白みや個性を感じるようになった。そして五月になって、最初は下手だった鳴き声が、美しく響くようになっていることに気付き、小さな感動を覚えた。

 似たようなことは子ども達の成長にも感じられる。去年からの継続生たちの変化は特に頼もしい。

 自分のことだけで精一杯だった子が、周囲を気にかける姿、率先して引っ張っていく様を見るにつけ嬉しくなる。今年からの子ども達にも、当初は汚れることをどこかで避けていた子が数名いた。だが最近では元気に自然の中で、はしゃぎまわる姿が見られるようになった。

 勿論全てが順調なわけではない。子ども達同士の諍いや、生活上のトラブルも日々起こる。だがそんな中にあっても、自らをより良くしていこうと努力を続ける子ども達には、尊敬の念すら覚える。

 そのような子ども達の姿が、私を鼓舞してくれているようにも思うのだ。去年の経験を踏まえた上で、今年は子ども達との生活で見つかる小さな発見、驚き、感動をもっと大切にしていきたいと思う。















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