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ゲームの醍醐味

山村留学指導員 有坂亮祐

 ゲームという言葉を聞いたとき、現代社会において、多くの人が最初に思い浮かべるのはテレビゲームだと思う。ゲームには、野球やサッカーなどの試合やボードゲーム、カードゲームがある。iPadやスマホが一般化している今、電子的なゲームがとても身近になっている。

 留学センターでは子どもと将棋やトランプで遊ぶことが多々ある。

 最初はお互い素人のまま勝負が展開されるが、何度もやっているうちに、徐々に強くなっていく。最初から一気に強くなるわけではない。たくさんの失敗を繰り返すうちに、良い手、悪い手に気づくようになってくる。どれだけ繰り返せば、良し悪しに気づくかは人によるが、失敗を繰り返している時間は決して無駄ではないように思う。

 毎回同じ相手と将棋をしていると、相手も自分も上手くなるので、どれだけ上手くなったかはわかりにくい。成長を感じるのは、いつもと違う人を相手にしたときだ。

 何度も勝負していると、勝負中に目が合うことがある。自分が次の手をどうするか悩んだとき、あるいは、相手が何を考えているのか読もうとするときに、よく目が合う。ひたすら画面に向いているテレビゲームではありえない光景だと思う。

 人と人が向かい合って座り、表情や仕草(しぐさ)から先を読む。これがゲームの醍醐味だと思う。テレビを見ているとき、あるいはテレビゲームをしているとき、それらはお互いに顔を合わせていない。テレビを見るのも、ゲームをするのも楽しい。けれど、そこには人と人が一緒にいる必要はない。

 センターで子どもが将棋やトランプで遊んでいるとき、「あ、あの子、あと一枚で上がりだ」「まずい、すべてを見透かされている気がする」と言った声が聞こえてくることがある。もしもテレビを見てもよいという山村留学だったら、こういうやりとりは激減しただろうと思う。

 電子媒体を排することで、気づかされる大切さがあった。















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