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子どもの後ろに立つ

山村留学指導員 稲井祐介

 今年度、三瓶こだま学園十六期生は十一名。小学四年生から中学三年生までの男子八名、女子三名が、センターと受け入れ農家を生活の拠点として山村留学生活を送っています。

 我々指導員は、その年々で変わる男女比や、小学生と中学生、継続生と新入園生などの比率を考慮し、また子どもたちの個々の性格や特性に合わせて子どもたちを指導するように心がけていますが、一貫して大切にしているのは"子どもたちの後ろに立つ"という姿勢。子どもたちにあれやこれやと指示を出して動かすのではなく、子どもたち自身が様々なことに気づき、能動的に動けるように声をかけたり、場を設定したりするようにしています。

 自分が見つけた自然をみんなに紹介したり、自分たちの生活を振り返る時間として、昨年度から取り組み始めた夜のつどいもその一つ。「最近、みんなの言葉遣いが悪いと思うから気をつけよう」「電気がつけっ放しの部屋があるから......」と、子どもたちが自発的に問題を提起したり、話し合いをしたりしています。

 先日、夜のつどいで、「学園のスローガンを作ろう!」という声が上がりました。私は心の中でガッツポーズをしていました。と言うのも、実は数年前から、学校でいうところの学級目標みたいなものを作りたいと思ってはいたものの、指導員から言い出しただけでは、子どもの頭に残らないものになってしまいそうで、二の足を踏んでいたところだったのです。

 子どもたちは全員スローガン作りに賛成し、日を改めてスローガン作りのミーティングが行われました。一人ひとりの想いをできるだけ尊重しながら意見を集約するのはとても難しく、その日だけでは案がまとまりませんでした。話し合いを聞いていると、つい口を出してしまいそうになりますが、そこは我慢。少し時間はかかるかもしれませんが、子どもたちが苦労して作り上げたスローガンは、一人ひとりの頭の中にしっかりと刻まれることになるでしょう。















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