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「キュウリグサ」

山村留学指導員 吉澤かおり

 キュウリグサと言う植物を知っているだろうか。キュウリの仲間ではないが、葉っぱを揉むとキュウリのにおいがするからキュウリグサと言うらしい。花は小さいが、青いきれいな花をつける。

私は、野草の本を見るのが大好きで、それを見ながら、センターの周辺で小さな可愛い野草を探すのが好きである。春になるとたくさんの野草が芽吹き始めるので、毎年ワクワクして野草を探す。長く住んでいても毎年、新しい発見があり、本当に飽きない。

 今年は、そんな私の趣味に付き合ってくれる子ども達がいた。毎日、通学路で出会った植物を取ってきて、野草図鑑等で調べて見る。私の知っているものもあれば、まだまだ知らないものも多い。

 そんな中、本を見ながら「私、このキュウリグサを見つけてみたい」と話をしていたところ、子どもの方が先に見つけてきた。「かおりさん! 見つけた! 見つけてきたよ。キュウリグサ」。

 子ども達は興奮して見せてくれた。

 たしかに臭いをかぐと、キュウリとまではいかないが青臭い。とにかく花は小さいし、似た様な植物は沢山あるのに、子ども達の探す力はすごいとあらためて感じた。

 子ども達は、毎日自然の中を歩き、色々な物を見て、触れて、聞いて、嗅いで、感じているのだろう。

 しかし、この時期、実は、子ども達の多くは新しい学園が始まり、人間関係に悩むことが多い。毎日、何かに悩み愚痴を言っている。そんな今だからこそ、私は言いたい。

 ふと足元に目を向けてごらん、かわいい花が咲いているよ。目を閉じてごらん、鳥の声が聞こえるよ。この自然を体いっぱいに感じてごらん、きっとそんな悩みはどこかへいってしまうから。

 季節はあっという間に過ぎてしまう。今しか感じられないものを全身を使って感じて欲しいと思い、子ども達と一緒に外に出よう。















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