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GW活動より

山村留学指導員 岡坂遼

 異例の十連休となった今年度のゴールデンウィーク。学園でも農作業や地域交流活動、塩炊き、キャンプなどと連日活動が目白押しでした。そんな十日の連休を利用して、学園OBや二十年近く前、大田市山村留学黎明期にリーダーとして活動に携わった方々など、多くの人たちが代わる代わる学園を訪れてくれました。

 活動のサポートなどの傍ら、かつての受け入れ農家さんや通っていた地元の学校を訪ねたり、旧交を温めたりと皆、故郷に帰ってきたようなホッとした穏やかな顔をしていたことが印象的です。そして決まって皆「ここに来ると三瓶の自分に戻れる」「帰ってきたという感じがする」「何も変わっていなくてほっとする」と口を揃えます。
 私は今年度の入園のつどいの際、新年度の心構えとして、色々な人の持つ「価値観」に注目し、大切にしたいという話をしました。
 地域の外から訪れ山村留学に関わった人、殊に長期の山村留学生は今までの自分には想像もできなかった様々な人、物、場所、文化などとの出会いの中で、今までの自分の価値観と相手の価値観を擦り合わせながら物事を考えていきます。そして、その過程で実家にいる時とは別の、新しい価値観を持った「三瓶の自分」が各々の中にできていくように感じます。
 そんな一所に囚われない価値観の分散が起こるからこそ、地域への帰属意識やそこでできた同様の体験を持つ仲間との共感意識をいつまでも持ち続ける事ができるのだと思います。また、それが山村留学の大きな魅力の一つだとも感じています。
 その点、そういった魅力を醸成する一番の基盤は山村留学、ひいては大田の地域に関わる人たちの様々な価値観が幾重にも折り重なり作られる、その場の空間です。
 過去に山村留学に関わった人たちが「帰ってきた」と感じ、「三瓶の自分」にすっと戻ることができる、センターがそんな拠点であり続けるためには、周囲の価値観を大切にしていかなくてはならない、と改めて感じた連休でした。















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