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三十七期スタート

山村留学指導員 戸田佐和子

 暖冬とはいえ冬は冬、寒い季節に別れを告げて、心待ちにしていた春が訪れた。
 売木村内で小さな黄色い花をつけたダンコウバイが目を惹きだした四月三日、三十七期生の入園のつどいを行った。学校感染症による出席停止の子が来園できず、全員揃った状態ではなかったが、それぞれがダンコウバイの枝を手に入場。ひとつの飯盒(はんごう)に挿していき、再び花が咲く来春まで皆で力を合わせて生活していくことを誓い、集団生活が始まった。

 三十七期生は九名。女子七名・男子二名、小学生七名・中学生二名、新入園生七名・継続園生二名という少しアンバランスな構成だが、どんな集団を作りあげていくのか楽しみである。

 おうちの人とあっさり別れ、けろっとしていた新入園生の姿にはこちらが拍子抜けしたほど。しかし、二日目からはホームシックに。夕飯時には、お腹が痛いとか気持ちが悪いと訴え、食事が喉を通らなかったり。消灯後には枕を濡らしたり。
 その後、基本的生活習慣と生活技術の定着を目指し、怒涛(どとう)のような日々を過ごすうちに、同じ志や悩みを持った仲間ができてきた。
 週末の体験活動も本格的に始まって、楽しさも増して、留学に来た目的を見つめ直して、ホームシックを克服。やはり、何よりも、おうちの人からの葉書にとても元気づけられたようだ。これからも寂しさや辛さと向き合いながら生活していくのだろうけれど、前向きに捉えて突き進み、精神的に大きく成長すると思う。
 継続園生の動きも素晴らしい。一年ないし四年の留学生活を経て身につけた自信と誇りがみなぎった頼もしい姿。新入園生に様々なことを教えたり伝えたりする場面は、さながら指導員のようでもあり、とても微笑ましい光景だ。
 まずは順調な滑り出しと言ってよいだろう。長い目で見て成長を見守りたい。それにしても、女三人寄ればかしましいとはよく言ったもので、非常に賑やかだ。















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