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「捉え直すことで」
八坂美麻学園
山村留学指導員 赤坂隆宏
今年度の八坂44期・美麻28期は、30名の学園生でスタートした。
私自身、山村留学に関わり17年目の春となる。かつ、自分自身も40という節目の歳を迎え、改めてこの山村留学の趣旨、理念を多角的な観点から捉え直す作業により、年間において山村留学に関するあらゆる内容を再構築した形で展開していくことを今年度の目標と決めた。
さて早速、発達心理学的、教育哲学的、環境学習的、文化人類学的などの学術的な観点から。
例えばある子はとにかく時間があれば「釣り」をし、釣った魚を別の池に放すことに楽しみを見出す。その没頭する行動をモンテッソーリの「敏感期」的に捉えれば、その時期にしか訪れないこだわりを満足させることによって育つ集中力や工夫力などの能力がそこにはあり、逃すことなく思う存分体験させるべき行為ともいえると、他の事へ目もくれず時間ぎりぎりまで没頭する姿に納得。
子どもたちの様子を改めてそんな観点から捉え直すことで、寛容な気持ちとともに見守ることができる点も、その効用とも言える。
山村留学という体験の中に抱合される意味合いは個々の特性や感性よって多種多様なもの。さらに、何気ない出来事や行為であっても、一つひとつが子どもたちの成長に繋がる大切な要素であり、山村留学中の日常に散在しているあらゆる体験が対象となる。
あえて利便性から離れ、自然文化豊かな環境に身を置く中で自然発生的に発生する欲求こそ、存分に満足するまで体験をさせてあげる必要があること。
事象の背景にある大切なものを見逃さず、子どもたちの行動の裏にある大切な欲求活動の目を摘まぬよう、自分の中に変換キーを持たねばと、改めて誓ったこの4月。
山村留学がもたらすものは、まだまだ奥深い。